2014年1月に観た映画



<映画館>
チャイニーズ・ブッキーを殺した男 / フェイシズ / こわれゆく女 /
オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主 / Seventh Code /
インシディアス 第2章 / ドラッグ・ウォー 毒戦 /
ファーザーズ・デイ 野獣のはらわた /
ポール・ヴァーホーヴェン/トリック / ブロークン・アイデンティティ /
アウトロー / アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ2 /
ヌイグルマーZ / 大脱出 / スリーデイズ・ボディ 彼女がゾンビになるまでの3日間 /


<映画館以外>
Return to OZ / エスケープ・フロム・LA / インシディアス / ゴースト・ハウス /
ダークスカイズ / バーバリアン怪奇映画特殊音響効果製作所 / 恐怖ノ黒洋館 / 道化死てるぜ! /
コンプライアンス 服従の心理 / the EYE【アイ】 / ヒドゥン / ウェイブ The Wave /
0:34 レイジ34フン / 1942 奇談 / ル・コルビュジュの家 /


★印象に残ったもの(新作)
<映画館>



<映画館以外>



【オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主】[バルト9(新宿)]
かなり明るめのオッドです。でも彼の芯の部分、温かさと誠実さはよく表現されてるので気になりません。
個人的に観たかったアメリカの砂漠とかダイナーとかショッピングモールとか、偏愛ではなくテイストとしてスマートに取り入れられててちゃんと堪能できたし、オッドの造形が思いのほか良かったのでかなり満足でした。
ただ。
他が良かっただけに、ボダッハの造型が残念でならない…何あのクリア素材のエビ星人ときどきヴェノムみたいなやつ!かっこ悪っ!もう!よりによってワタクシの大好きなボダッハを!非定型でいてヒトのようでもあり薄暗くて鬱陶しくて読めば読むほどにちゃんねらー的なるものの比喩としか思えなくなる、あの素晴らしいバケモノ、ボダッハを!クリア素材のヴェノムなんかに!


【Seventh Code】[シネクイント(渋谷)]
おーもーしーろーかーったーーーーーーー!!!映画はおもしろい!映画というのは、ほんとうにおもしろいものなのです!
疾走するドタ足敦子を見逃すな!!


インシディアス 第2章】[TOHOシネマズ(川崎)]
やっぱわたしリー・ワネルと組んでるワン好きだなあ。ちょー愉しい。
ただ、大傑作『死霊館』を撮りーの、油がノリにのった状態で優雅かつ挑戦的にこれを撮りーの、だと、なんとなくホラー引退というのも少しわかるような気がしました。忘れた頃にでもふらーっとホラー界隈に戻ってきてくれたら嬉しい。
それから、相変わらず美術のセンスが半端なくいい。エリースの部屋なぞ思わず息を呑みました。あと腐乱死体の臭いそうな描写も最悪で、なんかニオった気がして手で鼻を抑えてしまった。
まああとはスペックスですよあの眼鏡野郎。ハンター・ニンジャ・ベア!(熊さんのかっこう)


【ドラッグ・ウォー 毒戦】[シネマカリテ(新宿)]
後の銃撃戦、なんか火薬足りてなくね?トーなのに…。あとキーマンである協力者の彼のキャラクターも、なんか最後のほう唐突に捻じ曲げられた感。いや面白いんだけど。なんか、なんか違和感。


【ファーザーズ・デイ 野獣のはらわた】[新宿武蔵野館(新宿)]
うはは面白かった。アストロン6さんて技術は高いんじゃん。なんだかんだでいちばん笑ったのがスペシャルサンクスのとこに「僕らを逮捕しないでくれた」って名前クレジットされてた女性。警官なのでしょうか。


ポール・ヴァーホーヴェン/トリック】[HTC(渋谷)]
残り50分がドラマ本編なのですが、ちょー面白い!寄木細工みたいな脚本でどうなるんだろうと大分不安を煽られていただけに余計面白く感じたのかもしれないけど、とにかくテンポよくキレよく語られるドラマに釘付けに。おっぱいありゲロありタンポンあり。ラストのカタルシス発動っぷり半端なく、××の×を×××で×××××するシーンは場内大爆笑。


【ブロークン・アイデンティティ[HTC(渋谷)]
中盤までかなり面白かったんだけど、後半ダレちゃった。ハリウッド映画で観たことあるシーン全部盛りみたいなフルコースの割に、軸足が誰のどの感情にあるのかわかんなくなっちゃったのが原因かな。ガジェットのUIがいちいちリアルなのは良かった。5年後ああいうの出てそうで。


アウトロー[HTC(渋谷)]
レフン製作という事もあり、主人公が内なる怪物に食われる話かと思いきや、最後まで己を凡庸と信じるが故に悪も暴力も無尽蔵に飲み込んでゆく様に呆然とする怪作でした。ラストちょっとやりすぎ。
面白いなぁと思ったのが、前半ジムに連れてかれて身体鍛えるシーンに「ホモソーシャルだなぁ…」と生温かい視線を送っていたら、まさかまさかのあの事件ですよ。暗喩をまんま絵にする監督ここにもおった。驚愕と歓びで胸がいっぱいになりました。


【アイ・スピット・オン・ユア・グレイヴ2】[HTC(渋谷)]
早くも今年ワースト候補。印象最悪。やっぱり『発情アニマル』が名作なだけなのだなということが良くわかりました。脚本のせいかもしらんが、それをスルーしたこの監督はやはりアウトです。残虐さというのは行為そのものよりも文脈に沿ってその苛烈さが決まる面があり、そういう意味ではゴアシーン、拷問シーンすら大したことない。「だから?」ですよ。レイプによって人間の精神が破壊しつくされる肝心のプロセスがまったく理解できていないままレイプシーンが延々と続いても、「だから?」なわけです。ひたすら女優は泣き叫ぶだけ。保護された時点の主人公の反応も不可解で『発情アニマル』の精神はビタ一文受け継がれておらず、とにかくそこが許せない。そのくせ「ボクら勉強しましたよ」感だけは漂わせ、言い訳みたいに目配せとしてあの女性と刑事のエピソードを入れている。誰に対する言い訳なんだ。言い訳する位なら最初からバカやる覚悟で撮れよ。バカにはバカの覚悟があるのも判らないで中途半端にカッコつけんな。
そらまエクスプロイテーションなんだから只のポルノとして前半で女嬲って後半で強い女とゴアにハァハァするのは全然いいんです。けどだったら言い訳なんかすんなと。
言い訳がましい「本当っぽさ」が入れられたことによってすべてが台無しだ。バカヤロー


ヌイグルマーZ[バルト9(新宿)]
うわああああ!ちょう面白かった!!変身するとき脱がない!ヒロインじゃない!強い!かっこいい!これは全女子必見、女子のためのヒーロー映画だよおおお!!井口監督だいすきだいすきありがとおおおおーーー!!!


【大脱出】[TOHOシネマズ(有楽町)]
シルバーラブすぎて置いてかれた


【スリーデイズ・ボディ 彼女がゾンビになるまでの3日間】[HTC(渋谷)]
崩れる肉体の官能を求めたら肩すかしくらってしまいました。そっちのセンスはないのか…。道徳教育映画としては力を発揮しそうでしたが、「女子の玉ヒュン映画」になれそうであと一歩食い足りず、説教だけされて終わってしまった…。




<映画館以外>
【ダークスカイズ】[DVD]
ラスト15分だけ少し心が躍りましたが、とにかく主人公夫婦の頭が悪くかなりストレスフルなのがまず辛い。
そしてこの監督にはどうも情緒とでも呼ぶべき何かが欠けている気がしていて、それ故映画を観終わったあと自分の中でエピソードを再構築してみると「怖い」のオンパレードであるにも関わらず、映像にはその恐怖が立ち昇らないという不可思議な現象を引き起こしているような…。理屈では間違いなく怖いはずの画面なのに、それが練習によって獲得された型以上のものとしてこちら(現実)に手を伸ばしてこない。なんつうか、氷川きよしの歌みたいな。しかしながら(研究の成果か無邪気な完コピかはわからないけれど)如才のなさだけは前作(『レギオン』『プリースト』)に比べて格段に上達しているように思え、余計イライラしてしまった。
未知との遭遇』の怖さベースの作品なので、本当に勿体なくてがっかりしています。(宇宙人といえば「得体の知れなさ」が恐怖のキモだと思っているんですが、こいつら別に得体しれなくないから怖くもないし…。)あの専門家のオッサンとかすごく良かったのになー。ざんねん。


【バーバリアン怪奇映画特殊音響効果製作所】[DVD]
お も し ろ い !! 最後の方なんてよく分かんないけど感動して泣きそうになっちゃった。いいなぁこれ。音響さんという仕事がとても好きなせいか、とてもはまりました。
映画の裏方さんが主人公、怪奇映画、イタリア人(ていうかアルジェント近辺)に悩まされるイギリス人というだけでもグッと来る。環境のあまりの違いに真綿で首を絞めるようにじわじわ鬱屈していきながらもどこかで映画に魅了され引き裂かれ、徐々に心のバランスを崩していく技師の描写が素晴らしい。


【恐怖ノ黒洋館】[DVD]
ほぼ一人芝居かつセリフがほとんどないにも関わらず、ぼんやりと《事実》を推測させてくのすげえ。原題は『The Last Will and Testament of Rosalind Leigh(ロザリンド・リー 最後の願いと遺言)』。なるほど。
何より舞台となる亡母の館のインテリアがすさまじく、元々ある場所でないとしたら美術の勝利。あの「場」を用意できたことで映画の7割成功。さらにまったく焦る様子もなくじっくり館を映す監督も凄い。飽きるかなとか考えてる素振りが微塵もない。
ホラーというより心理映画ですが侮るなかれ。ある場面で私は悲鳴をあげてしまいました。やはり「本人の想定していること」と「実際に画面で起きていること」が乖離していると怖い!
あ、あと地味にうまいなーと思ったのが、アイポンの充電時間ね。「そろそろ充電ヤバイんじゃないの?映画ってその辺省略するけど気になるわー」とか思ってたまさにその瞬間、主人公が充電を始めたのです。こういう細かいとこ気を配る映画すきです。
というわけで、館マニア、インテリアマニア、テラー映画好きは観て損しないと思います。


【道化死てるぜ!】[DVD]
うわぁ、アイルランドだあ〜(遠い目)わたしはすげえ好きです。頑張ってるのにこのゆるさ。キミらお酒控えなさいよと小言の一つも言いたくなるけど、心地よいから許しちゃう。だいすき。許しちゃう。あ、でも同じ死に方2回やったのだけは叱る。
あと個人的な好みとしてワタクシ「お猫様」信仰が余り好きではないので、そういった意味でもだいぶスカッとしました。


コンプライアンス 服従の心理】[DVD]
乾いた傑作でした。無駄に動かないカメラが人の底意の底の底までをべったりと切り取って行く様は必見。終盤の長回しとか!(『SHAME』の監督は観てほしい、余計なお世話だけど)ただそれ故、あらすじ読んで嫌な予感がした人はあまり無理しないほうがいいです。


【the EYE【アイ】】[DVD]
こわいようこわいようと震えながら観てたのですが、バイオリン演奏と除霊儀式の謎のシンクロ演出で怖いのが吹っ飛んでしまい、そこから先はなんかぽかーんとしながら観てました。イヤ普通に恐怖演出は上手いんですよ。ただなんかこう、感覚が違うから…まったくフォローのない恐怖映像がちょいちょい挟まってるのは、怖がらせということでいいのよね?冒頭のインインの手とか、電車の窓に映ってるすげえ顔したバアさんとか。もうそっち気になってちゃってストーリー入ってこないんですけど、いいのそれ…
あとネズミ。ネズミ要る?ねぇ、ネズミ、要る?!


【0:34 レイジ34フン】[Hulu]
すげー、めっちゃくちゃ。意味わかんない。びっくりした。


【1942 奇談】[DVD]
雰囲気とてもよい。一箇所エグい恐怖シーンがある他はホラーというよりはミステリーというか、まさに“奇談”という趣。所々ハッとする程美しいシーンがあって面白く観ました。これで変に脚本凝らなきゃ隠れた名作になったのに…。でもわたしこの映画すき。面白かった!
ちなみに、愛した人の面影が記憶の中から次々に消えてゆく…というシーンでわたくし号泣しました。韓国はこういうの上手いよねー


【ル・コルビュジュの家】[WOWOW]
冒頭と最後で、主人公と隣人の印象が変わる、というのを狙っている気もしましたが最初からそこまで隣人が変な人に思えず(マンション暮らししてるとまあ、よくあります)、そこまで笑えもしなかったです。
この映画をほめる人は主人公と同じタイプの人なんじゃねとちょっと意地悪なこともおもった。