攻殻機動隊ARISE border:2 Ghost Whispers

カテゴリ映画なのかなあ…ま、いーや。ひまなので愚痴ってやる。
(つまり誉めてないヨー)





つまらなかったなあ。びっくりした。
前シリーズとの設定の違いなども「まだ幼い」だけでは説明が付かないように思うのだけれど(素子の義体化時期の設定はいつ変わったんだ、そもそも素子の成長をまるでふつうの人間の成長と同じように描いてしまっていいのか等など)、まあその辺はいいです。限りなくリブートに近いものだと思えば。


しかしアクションシーンのもっさり感(アニメーション自体は高い技術なのだが)はどうしたことだよ。
カットカットの繋ぎとか、見せ方がやたら芋くさい。アクション一挙手一投足をきちんと描くのはいいんだけど、それを馬鹿丁寧に全部見せようとした結果スローモーションを多用し、テンポがずんどこに悪くなるという。なんというダサさ。ああいやだ。


ストーリーのひねりのなさはアクション重視のためだとは思うけど、これまたセリフのダサさにうんざり。ちょっと芝居がかって吹いちゃうくらいのカッコよさはどこ行っちゃったの?
しかも、ただでさえ説明セリフの多い攻殻で、今まで以上に説明が増えてもう説明過多ここに極まれり状態。それ、観客バカにしてません?大した話でもないのに。ていうか、交通ドミネーションっていうけっこう魅力的な題材、テーマにほぼ活きてないですよね…。
加えて戦争描写のあまりに薄っぺらさも悪目立ちしていた。エンタメ=安くていい、って法はないっすよね。「密林航路にうってつけの日 JUNGLE CRUISE」*1を見習ってくれ。
もう、沖方丁の軽薄さは攻殻と相性が悪すぎる。震災の記憶の安い使われ方にも失望です。


コーネリアスの音楽は、たしかに劇場で聴くと心地よいのですが、それは音楽としての悦びであって「劇伴」としてのそれではない。
お前の「センスの良さ」など求めていないんだよ、と悪態つきたくなったよ、もう。


タイトなアクションとエッジのきいたセリフ、溢れんばかりの情報がめまぐるしく提示され、まるで自分の感覚すら拡張されたように錯覚しながらアドレナリン全放出で観られた攻殻機動隊とは全然違う。
どうにも総じてプラスチックのイミテーション感あふれる凡作という印象でした。攻殻機動隊ARISEシリーズ、もう劇場ではみないっす。


あ、声優陣の違和感のなさだけは本当に素晴らしかったと思います。
どっとはらい

*1:あの幕切れ、バトーがサッと駆け抜ける、その「一瞬」の雄弁さ!