2014年映画ベスト



順不同。観た順。



こんなに書いているけれど、ミラノ座ラストランで観た大画面の『エクソシスト』が凄まじかったです。
ずっとあるものだと思っていた場所が、ふつうにあるはずの日常が、あっという間に(いえ、ウソです。覚悟はしていました。けど…)なくなってしまいました。
さみしいです。さみしいし、なんか悔しいです。
でも、新しい場所を探していけばいいんですよね。


あ、あと今年は最後の最後で映画観られなくなるという精神状態に陥り、色々選びにくかった…。
で、選外もなかなかなので、オススメという意味で次点を併記しておきます。ずるです。笑
<次点>
オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主
ウルフ・オブ・ウォールストリート
ジン -悪魔の起源-
ある優しき殺人者の記録
トランストリップ


<偏愛>
ハウンター / パズル / NY心霊捜査官 / キョンシー


(以下、10作について細かく書いたので、お暇な方よろしければ。)


○Seventh Code
映画にストーリーなど要らない。ドタ足で駆け抜ける前田敦子に全身全霊を持っていかれる感覚。
面白い!面白い!面白い!


ポール・ヴァーホーヴェン/トリック
何が面白かったか正直わからないんです。
でも今年一年中「ああ、あれ面白かったなあ」って思い出してた。面白かったんですよ。


○スノーピアサー
前に進むだけの映画。それがこんなに面白いなんて。
今でも列車の轟音と、文字どおり人を喰ったラストを思い返してはニヤニヤしています。


○戦慄怪奇ファイル コワすぎ!史上最恐の劇場版
下手すると今年の白石作品全部ベストに入れてしまいそうで恐ろしいので、この一作を。
すべての「劇場版」がこうであって欲しいとの願いを込めて。
そしてどこへ行くんだ工藤。この先どうするんだ。


○肉
『トランストリップ』と迷ってこっちを入れました。
薄暗く神経を病んだ熱量の籠り方が半端じゃない。傑作です。


○イントゥ・ザ・ストーム
どなたも歓迎エンタメ枠からは『オッド・トーマス 死神と奇妙な救世主』と迷ってこちらを。
タイトながらエンタメ全部盛りのみならず、劇場で雨を、風を、ストームの蒸し暑さと泥、のしかかる水の冷たさという不快さまでリアルに感じました。熱狂したです。


○劇場版 稲川怪談 かたりべ
怪談好き、ホラー好きの業までも映してしまった映画。
異形と言えば異形ですが、大畑監督の面目躍如なのでは。ゴジラ撮って…。


ゴーン・ガール
他人事では済まない、ディスコミュニケーションの物語。
冷たく突き放し、悪意を、もっと悪意を!というフィンチャーの呻き声が聞こえてくる画面に恐怖し涙しました。
オープニングだけで100点満点です。


○アンダー・ザ・スキン 種の捕食
孤独とは何かを知りたければこの作品を。
我々とは即ち孤独のこと。この星の人間という種は、みな生まれてから死ぬまで、この病に罹っているのです。
観ているだけで孤独の体温まで感じられました。今年のNo.1。


マップ・トゥ・ザ・スターズ
こちらも孤独の物語。家族という逃れようのない罠のような関係の中で、自分を見失う人々。
意地悪と言うよりは容赦なくあっけらかんと現実を抉り取るクローネンバーグの凄みに歓喜。だけど最後はとてつもなく優しい。
笑えすぎて笑えない、めっちゃくちゃ悲しくて温かいコメディ。


見逃しでは「コンプライアンス 服従の心理」がベスト級でした。


それでは皆様、良いお年を。