SW:ep8(TLJ)の感想

を自分用にまとめたやつです。人に向けて書いてないのバレバレなのでツイッターに書き捨てたのですが、「残しといて」と友人が言ってくれたのでこそっとここに。
非常に湿っぽいやつです…。
心の底から良かったです。
あとめちゃくちゃネタバレしてますので各自お願いします。

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正直私は「ここのシーンで誰々はこういう気持ちでこんな台詞を言った」とか、「名もなき者たちがどうこう」みたいな解釈には興味がない。(ものすごく突き放してしまえば、レイもレンも馬鹿だとすら思っている。すごく愛しいが、若さ故にものすごく馬鹿だ。大好きだ。)
そんな些末なあれこれが関係ないのが、ep8の素晴らしさだ。


ep8は、過去から託されてきたものを、次に託さない。彼らを解き放てと言う。
身一つに立ち返れというドスの利いた宣言だ。
しかしそれこそがスター・ウォーズだろ?と過剰なまでにスター・ウォーズめいた物腰で、語り口で、登場人物たちはひとり、またひとりと「ひとり」になり、己の原点に立ち返っていく。ひとりになって初めて、「あなた」が見えるのだ。彼らがしがらみや血の轍をぶっ壊して、自分がどうしたいか/したかったのかを発見し、あるいは思い出して行く姿の清々しさ。
死にたいと生きたいのぶつかり合いが宇宙に産んだ、あの青い一閃を見ただろうか。
なんと美しかったことか!


ルークは次世代に希望を託したのではない。見出だしたのだ。
彼は過ちを怖れるあまりその物語に囚われ、結果、物語どおりの恐ろしい失敗を、裏切りをした。カイロ・レンに対して。戦争を終わらせたはずだった男は、戦争を終わらせ損ねた男でもあった。
だが、すがるように生きる理由を求めるレイの姿(それはレンの姿でもある)を見て悟る。
フォースは常にそこにあるように、希望も(絶望も)ずっとそこにあったことを。
終わらせるだの続けるだの、拘泥していたのは自分だったのだ。


気づいたルークは、すべてを燃やす*1。意味がないからだ。そして、自分で自分のケツを拭くためにようやく立ち上がる。自分が師と同じ過ちを犯したことを認めて、「次」にできることを求めて。
そして反乱軍に活路を開かせ、贖罪など無意味と知りながらレンに楔を打ち込むというウルトラCを放って見せる。
すまなかった、せめてこの傷がいつか君(たち)の助けになるように、と。


大事な壺が壊れても、結局のところ壺は壺でしかない。
大事な書物が、武器が消えてしまっても、それはガジェットでしかない。


私たちは、君たちは、いつだって遍在するフォースと共にある。
自分の作り出したストーリーに固執するな。
行け。
死にゆくルークの見つめる夕陽に、そんな声が聞こえなかっただろうか。
私には聞こえた。はっきりと。


タトゥイーンの農夫が眺めた夕陽は、宇宙を救ったジェダイが死ぬときもそこにあったのだ。
May the force be with you.

*1:アホみたいなコメント来たのでアホらしいけど、一応注記。レイが持ち出してるとかヨーダが云々んなこた百も承知です。ルーク視点の話をしてんです