神曲―地獄篇 <フェスティバル/トーキョー09秋>

12月13日(日)13:00
東京芸術劇場(中ホ−ル)
公式サイト:http://festival-tokyo.jp/program/inferno/


【演出】 ロメオ・カステルッチ(ソチエタス・ラファエロ・サンツィオ)
【会場】 東京芸術劇場中ホール

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<以下、メモ>
●開演前
ノイズ:目を閉じればそれが延々と繰り返され、暴発も縮小もしないだろうことがわかる。
舞台上:「"INFERNO"」の文字型蛍光灯。裏返っているので、舞台から観ると観客席側にキャプションがつく形。
こちら=地獄を見物する演出家が物語をつむぐ、ということだろう。
●本編
生と死、愛と憎が無限に繰り返される演出が顕著。
ひどく個人的な地獄の物語のように思えて仕方なかったのだが、こちらの見識不足か。
以下、心に響いたシーン
・子どもを閉じ込めた透明なキューブが黒い幕に覆われる
(舞台上手上方には絶えず舞台を覆い隠そうとする黒い幕がのたうつ)
こどもの理解不能さが恐ろしくも神々しい
・列を成し進む名もなき人々が倒れていく描写。
圧巻。美しい
・延々と喉を掻き切り、掻き切られ、蘇り、また掻き切り・・・
「ねえ、聞いて。わたしは、ここに、いるよ」のナレーション
涙が。


そうして葬ってきた人間、数知れず。己の悪行を悔いることなく死ぬと落とされるのが地獄(だったはず)ならば、私は確実に地獄ゆき。自分の悔恨の裡に閉じ込められるのは、何も死後に限ったことではない。あれ、矛盾しとる。
屠られるバスケットボール。屠られる肉体。
鬱陶しいくらいに反復のイメージの反復。ウォーホール。繰り返される消費。磔刑と殉死と自殺/他殺。


冒頭のシェパード大行進と最後の馬ペンキ、白いシーツびろーんは興醒めだった。
(犬は完全に正気でほえてるから怖くないし、馬は嫌がってるし・・・)