2013年2月に観た映画



<映画館>
ロンドンゾンビ紀行 / ムーンライズ・キングダム / ゴーストライダー2 /


<映画館以外>
死霊のはらわた(再) / トゥルースorデア 密室デスゲーム / 人生はビギナーズ / 死霊のはらわた2(再) /
キラー・スナイパー / アイアン・スカイ(再) /


★印象に残ったもの
<映画館>



<映画館以外>



<映画館>
ロンドンゾンビ紀行[HTC(渋谷)]
イーストエンドのどぶ川にしっかり根を張ったプライドがめっちゃくちゃかっこいい!
そしてとても正統派な(ベタな、とも言う)ギャグの連打にひゃっほーいってなる。
予告編のゾンビと歩行器老人のデッドヒートもそのまんまで死ぬほど笑った。いやー良作良作。


ムーンライズ・キングダム[シネマライズ(渋谷)]
ウェス・アンダーソンというひとはつまるところ永遠のひねた子どもであるわけで、この子どもたちの恋愛に「きらめきが足りない」などというのは愚の骨頂だと思うわけです。
子どもからしてみれば「成長しなければならないのは僕らなのに、きみたち大人ときたらどうだい、ぼくらに育てられることばっかりじゃないか」という言い分が大いにあるわけで、そうはいっても子どもであるから世の不条理への咆哮は大人以上に憤懣やるかたなくて、だから(大人であるところのわたしたちはもう駄々をこねても無駄と知っているからやらないだけの)地団太はきちんと踏むし、その地団太はやっぱり大人に思わぬところで響いてきたりするんですよ。
大人と子どもの立場が妙なところで入れ替わっているウェスの視線は、作家性と言うよりは彼の意図的なメッセージであることは、ちょいちょい挟んでくる残酷さをみれば明らかではないですか。
だから、私は彼のことを信頼するし、しゃらくせえとおっしゃれーのぎりぎりを衝いてくるが故に神経的なまでに行き渡るセンスもまた宣戦布告なので、これにしゃらくせえと言った時点でウェスとの勝負にはある意味負けてしまうのだということを、この映画を揶揄する人にはきちんとわきまえて頂きたい。
と、なんとなく義憤めいて思ってしまったり、しました。
で、そのうえでのまっとうなことをいうブルース・ウィリスなのであるよ。素晴らしいではないか。


ゴーストライダー2[ブルク13(横浜)]
ふひゃひゃひゃひゃ!素晴らしかった!これで良い!これで良いんだよ!!!
クリストファー・ランバートがすごい無駄遣いされてた。
その割りにはロケ地がターキールーマニアという世界弾丸貧乏ツアーだったり、地形をそのまま活かした画面づくりをしていたり。それもまた良し。
真ん中、3/4、最後と高揚感にヤラれたのか、ちょっと涙ぐんでる自分がいた。そう。これが観たかったの。これが!観たかったの!!!!!
黒ミサに1人で突っ込んで銃乱射する黒人みてたらなんか感動さえしている自分がいてな…。
スタッフがほぼアドレナリン組らしいですが、その割にはまったくチャカチャカしてなくて結構落ち着いたカーチェイス見せてくれましたよ。素晴らしかった。お金の遣い所ばっちし。




<映画館以外>
【トゥルースorデア 密室デスゲーム】[WOWOW]
お、面白かった!監禁→強制デスゲームであることはそのまま趣旨も変えず、お約束を守りながらも覆すけどそれが嫌味じゃなく、ムリヤリ感もそこまででもなく。
特に後半は、「次どうくるかな」って楽しみになる。突っ込むよりもひっくり返されるのが楽しい佳品。
サイコなパーティー主宰者の脇の甘さは計算したわけじゃないんだろうけど、あの扱いになるに至っては許せる。というか、むしろすごくいい。
まあ、いやな奴ばっかだし、正直者は馬鹿を見っぱなしなので、そういうの嫌な人はちょっと注意かも。私は好きです。


人生はビギナーズ[WOWOW]
シャレオツな演出が際どいところで功を奏して軽薄とならないのが良かった。
クリストファー・プラマーと犬のアーサー君(しゃべる!)のキュートさにぐわああああってなりました。
が、お母さんの存在がともすると希薄というか、ユアン・マクレガーにとって大事であったことが辛うじて判るのが、お父さんが「人生で得たもの」を列挙したときに食い気味に「母さんも!でしょ?」といった時の「食い気味」加減だけであったせいか、お母さんがユアンに単に空虚を植え付けただけの存在みたいになってしまっている気がして、ちょっと食い足りないなぁと思ったり。
あとこういうナイーヴな男性のパートナーとなる女性が微妙にフワフワしてるというか、不思議さん気味というステレオタイプもちょっと「?」。
とはいえ「空白の部屋」を満たすもの≠愛、しかし満たそうとする行為=愛、と気づいて試みを開始するラストは、「何かを始めるのに遅すぎることなんてない」という希望が嘘くさくない程度にちょこっと覗いていて、泣いてしまいました。面白かった。ジャック・ラッセルは神であります。
「自分には空洞があると思い込んで」いた部分が満たされてしまって、ある意味で戸惑った彼がその充足を受け容れるまでの物語でもあるわけだよね。慣れ親しんだ居心地の良い不幸からの脱出。だから泣けたんだ


キラー・スナイパー[DVDスルー]
DVDスルー。原題「KILLER JOE」
クズの、クズによる、クズのための地獄絵図。ミニマルな画面が死ぬほど格好良い傑作。これをDVDスルーって正気じゃないわ。