華麗なる(ハイネの)転落
間違いようなく、死体処理のお仕事。
という基本の認識はみなさん合ってますよね。ね?
- 出版社/メーカー: バップ
- 発売日: 2012/08/22
- メディア: DVD
- 購入: 1人 クリック: 1回
- この商品を含むブログ (7件) を見る
そもそも『ヤッターマン』を傑作たらしめてしまった監督に今さら何をかいわんやなんですけど。
とは言え、本作『逆転裁判』には監督のスイッチを押す何かが欠けていたのか、ミーケの手腕をもってしてもダラダラと長かったため、「お片付け」以外の何者でもない感じでした。なので原作ファン以外は見どころないねこりゃと思っていたんです。
途中までは。
一か所だけ、ありました。素敵に厭なシーンが。
それは、冤罪を覆す証拠がなく、弁護士に「精神異常として」無罪を勝ち取られてしまった刑事・灰音高太郎(小日向文世)が、妻サユリの自殺死体を発見する場面。
光溢れるリビングをバックに、小日向さんの身体の蔭から、ふ、と現れる首つり死体。
そんな描写、ゲームに無い。*1
あるわけない。そんな陰惨な話だったらGBAで出てない。
しかし、そのシーンが素晴らしいのです。漫然とみていた私は思わず「ひぇっ」って言いました。
それくらい、忌わしさが、タダゴトじゃない。
お勧め。
他にもオウムを証人喚問するシーンでの事故をそのままOKにして使っていたりして、なんと申しますか目を剥くシーンは多々存在します。
なので、三池ファンなら観ても損はしない気がするし、(ほぼいない気がするけど)原作全部やってるコアファンかつ三池監督ファンなら、観た方が良いです。
しかし何度みても凄いエヅラですよねー。
こんなん映画化頼む方も頼む方だけどさ、できちゃうほうもできちゃうほうだよ!
マヨイちゃんにあんなセクシーな女優さんあてがっておいて原作ファンもそんなに怒ってない、という瞠目すべき結果は、もはや笑うしかない。
意地悪だよねえ本当に。(そういうあてがい方/意地悪を喜んでしまう私も原作ファンとしては相当最低な部類なのかもしれないのですが。)
余談ですが、今回心ひそかに舌を巻いたのが、監督による「ファン層の分析」でした。
なにはともあれ、以下スタッフロールのキャプチャ、および流れる主題歌の歌詞をご覧ください。
(気楽なアプリが画面を埋め尽くして)
視界まで遮る〜
愛しい! 人の! 姿さ〜え〜
あなたに見せる〜顔が笑ってりゃ〜(ニコッ)
涙〜など人知〜れず 背中で流せ〜ば〜いい〜(ニコッ)
おわかり頂けただろうか。
この辺、需要とかじゃなくてもう悪意なんじゃないかと…
*1:「サユリさん」、原作では事件をきっかけに別れてしまった元婚約者、ってだけだったもんね