2014年10月に観た映画



<映画館>
劇場版 稲川怪談 かたりべ / 泣く男 / ジャージー・ボーイズ / ニンフォマニアック vol.1 /
キョンシー / ボーグマン / トランストリップ /


<映画館以外>


★印象に残ったもの
<映画館>



<映画館以外>
なし


<映画館>
【劇場版 稲川怪談 かたりべ】[東急(渋谷)]
稲川淳二×大畑創=怪談版パラダイム(あるいはマウスオブマッドネス)…最高やでこら…
怪談の業、「かたりべ」の意味がわかる瞬間の稲川さんの背中に震えました。


【泣く男】[バルト9(新宿)]
アクションはすさまじかったので満足したけど、かなり底抜けに振れてきたなという印象。韓国映画の謎のキラキラ感が、こうしたバイオレンスアクションにも及んでいるのは日本と似た状況なのかもしれない。ちょっと切ない。


ジャージー・ボーイズ[HTC(渋谷)]
ワケがわからないよ…「いない人」が映画撮ってるみたい。乙一の小説ように奇妙に平板だけど、その平板さが刻印となる彼と違って、イーストウッドの爺様の気配はどこにもない。ただ、のどかに働き者賛歌のようみえる。何考えてんだあのジジイは。とても追いつけない。


ニンフォマニアック vol.1[HTC(渋谷)]
めちゃくちゃ面白かった。狐と狸の馬鹿しあい、ラース・「フォン」・トリアーの本領発揮か。はやくvol.2見たい。


キョンシー[HTC(渋谷)]
もう取り戻せない欠落への切実な想いが、ゴシックとさえ言える退廃美で描かれる。かなしい、なつかしい歌(オリジナル!)とともに、悼んでも畏れても、最後は消えてしまう悲しさが滲むオープニングとラスト最高。


【ボーグマン】[HTC(渋谷)]
頭ばっかりでっかい。確信犯に至れないドヤ顔というか。あと単に神経に障るモノゴトの描写がどんくさい。オサレカフェみたいにイモくさい。


【トランストリップ】[HTC(渋谷)]
いやはやこれも恐ろしい映画。マジックリアリズムかと思わせておいて、ラスト唐突に放り出される快感。それもこれも神経過敏のディテールの確かさと役者陣の生っぽい身体のおかげなのかな。登場人物の誰もが、ちょっとした会話や小さなコンプレックスで少しずつ神経をすり減らして行くんだけど、それがメインにならない。確実に日常の神経戦を背景に落とし込むことよって、人の心に異界が出現する瞬間を鮮やかに浮き上がらせている。すさまじい怪作、オススメ。